自民党と統一教会②選挙の電話は宗教団体から?

 引き続き、統一教会の自民党に対する影響力について説明します。前回、統一教会は以下の3つを通じ、自民党に影響力を及ぼしていると書きました。

①選挙における票

②選挙におけるマンパワー

③地方議員に対する影響力

 ①は前回述べたので、今回は、②の「選挙におけるマンパワー」を述べましょう。

 選挙には人手がかかります。電話かけ、集会の設営、ポスター貼り……手伝う人がいなければ、まともに勝負できません。青島幸男のごとく、何もしないで当選したのもいるにはいます。でも、あれは特殊な事例。普通はあちこちに声をかけ、人集めをするわけです。

 とはいえ、純粋にボランティアでやってくれる人など、そうそういるものではありません。地方議員の選挙では、地元の町会等の関係者が手弁当で手伝い、それで済んでしまうケースもあります。しかし、選挙の規模が大きくなると、そうはいきません。

 選挙運動は、ウグイス嬢らの例外をのぞき、無報酬でやるのが原則です。だから、露骨に「金力」を使うわけにはいきません。たまに選挙違反が事件化しますが、地方議員のタカリ事案以外、同情すべき点があるのは事実です。

 土建屋利権を先代から引き継ぎ、選挙違反やり放題の都議がなぜか無傷。その一方、真面目な運動員らが、学生にバイト代を払っただけで逮捕される。……そんな理不尽なことが、実際に起きています。とにかく人集めは面倒なうえ、リスクもあるのです。

 その点、新興宗教は、無償で色々やってくれます。かつ、あまりサボらない人が多い。「正しい」方向へ使えば、ある面では役立つのです。洗脳……いやいや、信仰心と熱心さとは、ほぼ比例するのかもしれません。もっとも、個人的に付きまとわれると厄介です。筆者も一時期、某宗教信者にやられて大変でしたが……。

 ともかくも、集会で椅子を並べてくれたり、電話かけをしてくれたり、ポスターを貼ってくれたり、街頭演説にサクラで来てくれたりする人たちは、貴重な存在です。以前、労組幹部が電話作戦を有償でやり、罪に問われた事例がありました。無償でやってくれる集団は、実際問題、あまり無いのです。

 極端な話、10人程度の団体でも、その10人がみな運動員として優秀なら、その団体は一定の影響力を持ちます。政治家サイドが団体の価値を判断する場合、集票力に次いで重視するのがマンパワー。集票を支えるのがマンパワー……とは言い切れませんが、人をそろえ、役割を決めてこそ、選対が成り立つのも事実です。

 筆者は統一教会の選挙運動について、直接目にしたわけではありません。あくまで伝聞でしか知りません。ただ、他の新興宗教の動きを見ていれば、統一教会もまた「選挙におけるマンパワー」として役立つと、容易に想像できます。

 ある国会議員は、「市議の時から統一教会の選挙支援を受けていた」と報じられていましたが、その中身はやはり、電話かけやポスター貼りでした。無償で使える団体として、長年、重宝していたのだと思います。「タダより高いものはない」という金言もありますが……。

 ちなみにその国会議員は、筆者の秘書時代も、「あの人は勝共(統一教会)系」などとネタにされていました。ネタにしていた一人が、先にあげた利権都議ですが、本人の前ではペコペコしているのでしょう。

 まとまった集団自体が減っているご時世に、無償で熱心に応援してくれる。そんな便利な団体を、そう簡単に切り捨てられるはずがありません。かなり選挙に強い議員すら、統一教会の選挙支援を重宝していたそうですから、選挙に弱い議員は推して知るべしです。

 今回は、②の選挙における統一教会のマンパワーについて書きました。③の地方議員に対する影響力については、次回に譲ります。